労務監査労務問題労働問題への対応:過重労働によるうつ病の発症とそれに対する損害賠償請求、セクハラパワハラ、モラハラ行為
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労災保険と任意労災保険

労災保険とは

 正式名称は、労働者災害補償保険法といい、労働基準法で定める企業の業務上の災害補償責任(無過失責任)を代行する目的で作られた保険制度のことを言います。労働基準法第75条から88条では、災害補償として以下を定めています。原則、労働者又はその遺族が、労災保険法から労働基準法の災害補償に相当する給付を受けられる場合は、企業は、無過失責任の範囲において補償の責任を免れることができます。ただし、重大労災等、企業に過失が認められる場合は、別途、損害賠償責任が発生することになります。

労働者の状態 企業の補償義務 補償額
療養 療養補償 全額
休業 休業補償 平均賃金(日額)の60%
障害 障害補償 平均賃金(日額)の1,340日分
死亡 遺族補償 平均賃金(日額)の1,000日分
3年経過後も傷病が
治ゆしない場合
打切補償 平均賃金(日額)の1,200日分
 企業は、補償の支払能力を証明し、労働者又はその遺族の同意を得ることを条件に、障害補償、遺族補償を6年間分割して支払うこともできる。


任意労災保険とは

 近年、労働災害は多様化し、かつ多発しています。もはや、政府管掌の労災保険だけでは企業として補償責任を果たしているとは言えない時代です。社員との信頼関係を深め、企業業績を上げていくためにも、また労務労働トラブルの泥沼化を防ぐ視点からも、政府管掌の労災保険にプラスして任意労災保険への加入の必要性は、ますます高まっていると言えます。
 任意労災保険は、政府管掌の労災保険ではカバーできない、被災者本人や遺族への見舞金、慰謝料、損害賠償金などを「上乗せ補償」するというものです。

国の労災保険 + 任意労災保険
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企業リスクの軽減 + 社員福祉の向上、モチベーションのUP

過労自殺と裁判例

過労や仕事が原因で自殺または自殺未遂をしたとして、平成18年度に労災認定された人は、平成17年度より24人多い66人で過去最高となっています。この結果を多くの企業は重く受け止めなければなりません。過労自殺の背景には、様々な理由が存在しますが理由がどうあれ、企業が職場環境に気を配り、社員の業務に対するサポートがしっかりできていれば過労自殺は防ぐことができます。ここでも人事担当者のレベルが問われることになります。過労自殺が労災と認定されれば次は、民事訴訟が待っていると考えなければなりません。いわゆる過労死裁判では、厳しい判決が多数出されていますが、その中でも21歳のアルバイト社員が過労死したという事件をご紹介しておきます。悲惨かつ陰惨な事件ですが、決して対岸の火事ではなく何処の企業でも起こり得ることであると考え、人事担当者は日々の業務に取り組む必要があります。快適な職場環境なくして、企業の永続的繁栄はあり得ません。過労自殺者を出してその上に好業績を上げてもそれは一時的な利益に過ぎません。職場環境を整備して真の競争力を付けて下さい。

21歳雑誌編集アルバイト過労死事件  この社員が勤務していたのは、(株)ジェイ・シー・エムという会社で中古車情報誌「カーセンサー関西版」という雑誌の製作を行っており、社員はこの雑誌の編集を担当していました。社員は、連日の長時間労働により、入社後51日目に自宅で死亡し、死亡前9日間の労働時間は1日平均13時間を超えていたことから、社員の遺族が企業側に対し、安全配慮義務違反等の債務不履行があったことは明白であるとして損害賠償請求した事件です。結果、大阪地方裁判所は、企業の債務不履行責任を認め、企業側に社員の遺族に債務不履行に基づく損害賠償金として、合計約4,800円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
 (平成16年8月30日 大阪地裁判決)

この事件は、企業の責任として社員の健康管理義務を果たすことがいかに重要であるかを示した事件であり、全ての企業の人事担当者は自らの企業での出来事として受け止める位の感覚が必要です。そういった感覚を身に付けることが企業の利益を守り、社員の健康を守り、企業と社員がWIN・WINの関係になれるのです。



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